空手と科学

顔面(頭部)への打撃と崩し (後編)

 相手からの顔面攻撃に於いて、「 崩し 」の基本的動作を紹介する。
punch も kick も身体の中心軸(床に対して垂直な軸)を中心に、常に回転運動を繰り返している。
従って、左右の punch の方向で position 取りを行うのではなく、基本は、最初から相手の構えている方向、つまり相手の足が前に出ている方向の 45° out side へposition をとることである。
相手の右 punch、左 punch に関係なく、相手の重心側(相手の足・腰が前方へ出ている側)45° out side へ position を取り避けることが、有利な攻防に導く基本となる。

 具体例を簡単に紹介すると、相手が通常の左構えから右 long straight や 右 long hook を叩いて来たとする。
この時、相手の左足が前方へ出ていれば、相手の右 45° out side へ position をとる。
同様に、相手が左構えから左 long straight や 左 long hook を叩いて来たとする。
この時、相手の左足が前方へ出ていれば、やはり相手の 45° out side へ position をとり避ける。
ごく普通に考えると、相手が左構えの場合、右の long straight は、左方向へ 避けようとする。
また、左の long straight は、右方向へ position を取り避けようとする。
しかし、これでは逆方向の counter attack を貰う risk が高い。
相手が左足を前に出し、左足に重心を乗せて右 punch を叩いて来る時、これを外受けで相手の左 side へ避けると、相手の身体は右回転をしながら動き、その punch の動きが終わると右腕、右 wait を引き返しその反動で、容易に素早く左回転がしやすく、左の counter punch や投げによる返し技を貰う risk が高くなる。
そこで基本的には、相手が容易に反転し反撃できない体勢をつくることが必要であるし、相手の反撃より常に先に攻撃できる体勢をとれる動きをすることである。
 
 上半身の柔軟な動きと step により相手の前足側、45° out side へ密着すると同時に、相手の punch が伸びている反対側、上腕部を真っ先に制することが相手の顔面攻撃を「崩す」基本となる。
即ち、相手の攻撃方向( vector )に逆らわず対処することが「崩し」の基本動作である。
punch にしろ kick にしろ床に対して垂直な軸を中心とした回転運動の上に成り立っている。
その回転方向(vector)に逆らった身のこなしは、なるべく避けた方が良い。
先ず、このような身のこなし方を修得した上で、一旦、相手の攻撃を流し、あえて逆方向へ身を置く技術も修得していくことである。