重たいパンチ・重たい蹴り

私たちは、空手を修業する時に、良く、「パンチが重たい」とか「蹴りが重たい」と言う言葉を良く耳にする。「重たいパンチ」「重たい蹴り」とは、科学的にどのようなことを指すのか考えてみよう。
先ず、「重たい」の定義は、物理学の動力学用語で表記するとtorgue(トルク)ということになる。
torgueとは、端的に言うと「 力のモーメント 」である。

            d
  運動の第二法則 F=ーー (mv)  のこと。
            d t

分かりやすい言葉で、「 ねじりの強さ 」という意味である。
空手のパンチや蹴りの energy は、この torgue・「 ねじりの強さ 」から生れる。
パンチや蹴りは、一見、直線的な動きに見えるが、パンチや蹴りの基となる力は、身体全身の「 ねじり 」の力の総合力である。

パンチや蹴りをくりだす時、必ず、腰は回転運動をする。腰だけではない。
軸足の足先が、床を蹴るバネは、足首に伝わる。

ここでも、足先、足首は「 ねじれる 」その「 ねじり力 」は、膝へと伝わる。
膝を支えているのは、主に大腿四等筋である。この膝を支えている大腿四等筋は、膝の「 ねじり力 」をしっかりと支えている。

更に、大腿四等筋のバネは、その「 ねじり力 」を増幅していく。
そして、腰へと伝わり、体幹部分の筋力がそれをまた、増幅していくのである。
sharp な腰を中心とした体幹部分の「 ねじり力 」を通して、大きな慣性モーメントが生れる。

今度は、その慣性モーメントは、肩の「 ねじり力 」・肘の「 ねじり力 」・手首の「 ねじり力 」により、膨大なエネルギーを持つものになっていく。蹴りも同様なことである。
蹴る時には、軸足の足先が床を蹴る時にその「 ねじり力 」が生じる。
それを膝を支える大腿四等筋が増幅させて、初めて、腰の sharp な慣性モーメントを発生させるのである。

そして、その腰を中心とした体幹部分の「 ねじり力 」が大きな慣性モーメントを更に増幅させ、蹴り足の膝のバネ、蹴り足の足首のバネに伝わり、膨大なエネルギーを持つものになっていく。

これらの運動量(energy)が、一連の動作の中で発生し、timing 良く連動させることでパンチの energy・蹴りの energy の量が決定していく。
また、できるだけ、これらの energy の Ross がないように叩く。蹴る。為には、
角度(engel)も重要な要素になる。

つまり、身体全身のtorgueをいかに効率よく、相手に伝えることができるかが、「 パンチが重たい・蹴りが重たい 」と言う表現となる理由なのである。

次回は、どのような稽古を継続すれば、そのようなパンチ・蹴りへと繋がって行くのかを紹介したい。