相手の横から横方向へ、後ろから前方向へ崩せ!
Destroy it from behind laterally to the former direction from the side of the partner !

 まず「相手の突き、蹴り、投げ、等の攻撃を崩す」ということの捉え方を考えてみる。
「崩す」ということは、相手の攻撃を「避ける」(さける)、「受ける」という意味のものではないことは、何の格闘技でも同じことであろう。
「避ける」とは、字のごとく「回避する」こと、つまり相手の攻撃の hit zone から完全に step によって逃げることと解する。
「受ける」ということについては、大きく二つの捉え方がある。
一つは、完全に自分の身体部位を使って block すること。
二つは、step work を主として手、脚を添え相手の攻撃の impact zone の vector を変化させて身を守ることである。
「崩し」とは、これらのことに連なって更に「相手の体勢」、「身体運動の balance 」に完全に不具合を生じさせることである。
突きつめれば、相手の動きを殺してしまうことである。
云わば、相手が自分に対して攻撃を出来ない状態を造り出すことに他ならない。

 その原点は、相手の side position 又は、back position から相手にしっかりと体重を乗せ、自分の身体の重心軸(身体正面)で押すこと push することである。
「押し崩す」ことである。
相手の両 side position から相手の身体を横方向に押す。
相手の back position から相手の身体を前方向に押す。
相手の正面から後ろ方向へ押すこともあるが、基本的には risk を避ける為、横から横方向へ、後ろから前方向へ押す。
人は、自分の立っている横から、横方向へ押されると踏ん張りがきかず、よたよたと 身体 balance を崩してしまうものである。
更には、後ろから前へ押されると後方へ重心が移動しようとするのを回避し balance を保とうとする為、前のめりになってしまうものである。
その瞬間を狙う。
よたよたしている間に、相手の膝裏、脹脛などなるべく下肢部分をしかりと蹴り抜く。
また、振り向く瞬間を punch で打ち抜く。

 引き「崩し」は、相手を掴むことが多くなる為、体力差の大きい相手には risk を伴う。
掴めば、掴んでいる自分の手は死んでしまう。また、掴めば即、掴み返される。
引き「崩し」は、相手の攻撃を内側へ引っ掛けるなど、掴まない引き付けによって相手との間合いを詰め、counterの打撃や投げに繋げる。
打撃、「突きや蹴り」にもそれぞれに工夫をしなければ「突きや蹴り」の威力を最大限に発揮することはできない。
例えば、middle の廻し蹴り一つとってもその蹴り方には様々にある。
相手の背中側を蹴る時には、背足で重たく蹴る。相手の腹部側を蹴る時には、膝のバネを最大限に活かし中促で素早く突きぬけるように蹴り抜く。

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